仮登記ができる場合は大きく2つのパターンがあります。

 

①不動産登記法第105条1号の仮登記

②不動産登記法第105条2号の仮登記

 

今回は①について説明します。

法105条1号の仮登記は「条件不備の仮登記」とも言われます。

ポイントは、すでに売買や贈与、抵当権設定などの契約が成立し権利変動が生じているが、登記をするための書類などの要件が揃わない場合にできる点です。

この書類については以下のとおりです。

 

★書類不備により仮登記ができる場合

・登記識別情報または登記済証(いわゆる権利証)が添付できないとき

・登記原因について第三者の許可を得ているが、許可書等を添付できないとき

(農地の売買などで農業委員会の許可書を添付できない場合など)

・登記の抹消や抹消回復について、登記上の利害関係人(抵当権者など)の承諾書を添付できないとき

・登記義務者(売買における売主など)が登記に協力しない場合に裁判所で仮登記を命じる処分を得てするとき(不動産登記法108条)

 

★書類不備により仮登記ができない場合

・登記義務者の印鑑証明書が添付できないとき

・住所証明書(住民票の写しなど)が添付できないとき

・登録免許税の支払いができないとき

※これらの場合は、仮登記ができません。

 

実用ケースとして考えられるのは、売買契約が成立し、すでに代金を支払っているが、売主が権利証をすぐに用意できない場合に保全の目的で仮登記をしておくなどです。

不動産仲介会社を利用しない近隣の人同士の不動産売買などで権利証が見つからない場合に、とりあえず仮登記だけでもしておこうというケースに利用するといいかもしれません。

基本的に105条1号の仮登記を利用することは比較的限られているのではないでしょうか。